Attributionモジュール
使用方法
Attributionモジュールは、ユーザーによるリセットが可能なAdvertising Identifier(IDFA)を各トラッキングコールに追加し、オプションでApple Search Ads APIを実装してアトリビューション情報を収集します。Apple Search Ads アトリビューションのセットアップの詳細は、こちらから参照してください。
バージョン 2.1.1 以降では、アトリビューション モジュールには、 SKAdNetwork
サポートも含まれ、 ATTransparency.AuthorizationStatus
をディパッチ ペイロードに追加しました。
このモジュールの使用はオプションです。この機能では追加の依存関係が発生するため、この機能の説明を読んで、必要かどうかを判断します。アプリを提出する際に、Appleに対してIDFAを使用している理由を説明する必要があります。IDFAの使用を表明しない場合は、Appleはアプリを却下します。IDFA の使用方法と却下の詳細は、こちらから参照してください。
以下のプラットフォームがサポートされています。
- iOS
要件
- UIKit
- AdSupport
- iAd
- iOS 14以降: AppTrackingTransparency
- iOS 14 以降: StoreKit
インストール
Attribution (アトリビューション) モジュールを Swift Package Manager、CocoaPods、または Carthage によってインストールします。
Swift Package Manager(推奨)
バージョン1.9.0以降でサポートされているSwift Package Managerは、Tealium Swiftライブラリをインストールするために推奨される最も簡単な方法です。
- Xcodeプロジェクトで、[File] > [Swift Packages] > [Add Package Dependency]を選択します。
- レポジトリのURLとして「https://github.com/tealium/tealium-swift」と入力します。
- バージョンルールを設定します。通常は
"Up to next major"
が推奨されます。現在のTealium Swiftライブラリバージョンがリストに表示されない場合は、Swiftパッケージキャッシュをリセットします。 - インストール対象モジュールのリストから
Attribution
モジュールを選択し、 [Frameworks] > [Libraries & Embedded Content] で、Xcode プロジェクトの各アプリ ターゲットにモジュールを追加します
iOS 向け Swift Package Manager のインストールの詳細は、こちらから参照してください。
CocoaPods
AttributionモジュールをCocoaPodsによってインストールするには、Podfileに以下のポッドを追加します。
pod 'tealium-swift/Attribution'
iOS 向け CocoaPods のインストールの詳細は、こちらから参照してください。
Carthage
AttributionモジュールをCarthageによってインストールするには、以下の手順に従います。
Xcodeで対象アプリの[General]構成ページに移動します。
以下のフレームワークを[Embedded Binaries]セクションに追加します。
TealiumAttribution.framework
iOS 向け Carthage のインストールの詳細は、こちらから参照してください。
初期化
このモジュールを初期化するには、これを collectors
プロパティに含めます。
config.collectors = [Collectors.Attribution]
iOS 14 以降の Attribution (アトリビューション)
iOS 14 以降では、アプリがデバイスの広告識別子 (IDFA) にアクセスするためにはユーザーの許可が必要になりました。アプリを最初に起動したときに、ユーザーは、「Permission to track (トラッキングの許可)」を認めるように求められます。ユーザーが拒否した場合は、IDFA は、アプリで利用できません。
IDFA が利用できない場合は、 SKAdNetwork
によって、登録広告ネットワークからアプリのインストールのキャンペーンへのアトリビューションを行う方法が提供されます。このために、Apple から直接、署名済みの信号が受け取られます。広告ネットワークが受け取るものは、アプリのインストールが完了した確認、キャンペーン ID とオプションの変換値だけです。
AppTrackingTransparency
および SKAdNetwork
フレームワーク (Apple の IDFA の変更が Tealium にとって持つ意味) の詳細は、こちらから参照してください
AppTrackingTransparency (ATT)
attribution (アトリビューション) モジュールを有効にしておけば、ユーザーのトラッキング認証ステータスは、 device_tracking_authorization
として自動的にディパッチ ペイロードに追加され、値は、 ATTrackingManager.AuthorizationStatus
列挙型の文字列として表記されます。
該当する場合は、別途 ATTrackingManager.requestTrackingAuthorization
を呼び出します。Tealium SDK を有効にするためのトラッキング許可のリクエスト の詳細は、こちらから参照してください。
SKAdNetwork
Tealium は、次の場合、起動時に自動的に SKAdNetwork.registerAppForAdNetworkAttribution()
を呼び出します: config.skAdAttributionEnabled
を true
に設定した場合。これによって、広告ネットワークは、アプリのインストールを匿名で検証することができます。config.skAdConversionKeys
ディクショナリが定義された場合、 SKAdNetwork.updateConversionValue()
が指定イベント時に自動的に呼び出され、指定変換キーの値を送信します。
config.skAdConversionKeys = ["EVENT_NAME": "DATA_LAYER_VARIABLE"]
変換値は、 Int
であって、 0
~ 63
の値である必要があります。変換値が少数である場合は、変換イベントを呼び出す前に整数に変換される必要があります。
例:
config.skAdConversionKeys = ["purchase": "conversion_value"]
...
tealium?.track("purchase", dataLayer: ["order_subtotal": 456.87, "conversion_value": conversionValue])
SKAdNetwork
フレームワーク の詳細は、こちらから参照してください。
プロセス
以下の図は、広告のインストール検証のパスを示しています。アプリ A は、広告を表示するソース アプリであり、アプリ B は、ユーザーがインストールする広告対象アプリです。
ユーザーがアプリやモバイル ウェブ ブラウザ内の広告をクリックすると、App Store が起動し、ユーザーは、広告キャンペーン用の商品画面に移動させられます。iOS 14.5 以降では、広告主は、カスタム ビュースルー広告または StoreKit 提供広告のどちらかを表示させることを選択するオプションを有します。ユーザーが広告アプリをインストールした場合は、デバイスが保留中のインストール検証を保存します。ユーザーが attribution (アトリビューション) タイム ウィンドウ内でアプリを開いた場合、デバイスが、インストール検証ポストバックを広告ネットワークに送信します。
通知は Apple によって署名されます。これには、キャンペーン ID が含まれますが、ユーザーまたはデバイスに固有のデータは除外されます。値の提供が Apple のプライバシーしきい値を満たしていると Apple が判断した場合は、ポストバックに、変換値とソース アプリの ID が含まれることがあります。
広告駆動アプリのインストールの詳細は、こちらから参照してください。
Tealium の役割
Apple の SKAdNetwork
ソリューションには、3 主要当事者が関与しています:
- 広告ネットワーク
- ソース アプリ
- 広告対象アプリ
Tealium は、コールを SKAdNetwork
にラップします。TealiumAttribution
モジュールと構成フラッグが有効になっている場合は、アプリの起動時に SKAdNetwork.registerAppForAdNetworkAttribution()
が呼び出されます。
また、 skAdConversionKeys
を定義済みである場合、 SKAdNetwork.updateConversionValue(_:)
メソッドが呼び出され、指定変換キーに渡されます。Tealium により、設定済みのトラッキングを通じて SKAdNetwork
へのコールを管理することができるようになります。
ユーザーに対してトラッキング許可をリクエストするとともに、適切なキーを .plist
ファイルに追加しなければならないことがあります。
以下の図は、 SKAdNetwork
による Tealium の仕組みを示しています:
検証
コールの検証 SKAdNetwork
について説明します。
Search Ads API
Apple の Search Ads API を使用するには、 searchAdsEnabled
プロパティ (TealiumConfig
オブジェクトのもの) を有効化します。次に、 iAd フレームワークを使用して、attribution (アトリビューシ) オブジェクトが含まれている attribution (アトリビューシ) ディクショナリを取得 します。Tealium ライブラリがこれを行うのは、アプリの起動直後ですが、情報の取得がタイムリーに行われない可能性があります。 情報がデータレイヤーに追加されるのは、Apple からこれを受け取った後です (通常は、起動イベント中)。
起動後に複数のイベントが生じる場合もあります。これらの変数はアプリの有効期間内に Apple のサーバーから 1 回だけ取得され、永続性変数として保存されるため、以降アプリが起動されるときに利用できるようになります。
データレイヤー
モジュールが有効な場合に、トラッキングコールのたびに以下の変数が送信されます。
ad_
が接頭辞になっている変数は、Search Ads が有効化されている場合のみ設定できます。
変数名 | 説明 | 例 |
---|---|---|
ad_campaign_id |
対応する広告のキャンペーンID | 1234567890 |
ad_campaign_name |
対応する広告のキャンペーン名 | CampaignName |
ad_creativeset_id |
対応する広告が一部となっていたクリエイティブ セットの ID 。 | 456093 |
ad_creativeset_name |
対応する広告が一部となっていたクリエイティブ セットの名前。 | Beast Images |
ad_group_id |
対応する広告のキャンペーングループID | 1234567890 |
ad_group_name |
対応する広告のキャンペーングループ名 | AdGroupName |
ad_keyword |
対応するクリックを導いた広告インプレッションを促したキーワード | Keyword |
ad_keyword_matchtype |
部分一致、完全一致、検索一致のいずれかです。 | Exact |
ad_org_id |
対応する広告のキャンペーン組織ID | OrgID |
ad_org_name |
対応する広告のキャンペーン組織名 | OrgName |
ad_purchase_date |
ユーザーがアプリを最初にダウンロードした日時。iadconversion-type = “Redownload” の場合、これは最初の購入日を表します。Apple Search Adに関連付けられている場合とそうでない場合があります。 |
2016-12-05T17:31:40Z |
ad_region |
このインストールのきっかけとなったキャンペーンに関連付けられた国または地域を識別します。 | US |
ad_user_clicked_last_30_days |
アプリをダウンロードする前の30日以内にユーザーがSearch Adsインプレッションをクリックしたかどうかを示すブール値 | true |
ad_user_conversion_type |
アプリの新規ダウンロードまたは再ダウンロードを識別します | Download |
ad_user_date_clicked |
ユーザーが対応する広告をクリックした日時 | 2016-12-05T17:31:40Z |
ad_user_date_ converted |
ユーザーがアプリをダウンロードした日時 | 2016-12-05T17:31:40Z |
device_tracking_authorization |
iOS 14 以降のみ。ATTrackingManager.AuthorizationStatus |
[notDetermined , restricted , denied , authorized ] |
device_advertising_enabled |
ユーザーが広告のトラッキングを許可しているかどうか示すブール値 (false の場合、広告 ID は 0 からなる文字列として表示されます) |
true |
device_advertising_id |
ユーザーによるリセットが可能なAdvertising Identifier(IDFA) | 6D92078A-8246... |
device_advertising_vendor_id |
単一ベンダーの同じデバイス上にあるすべてのアプリで必ず同一になる一意のID(RDNSバンドルIDの最初の2つの部分が同じになるアプリ。例:com.tealiumやcom.acme) | 6D92078A-8246... |
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最終更新日 :: 2022年August月29日